エコー写真は、ママやパパにとって幸せの1枚ですよね。
可愛い我が子の成長が分かると共に、愛おしさが増します。
私も、16週目まではそうでした。
私が通院していた産科では、健診のたびに7枚~10枚ものエコー写真をいただけます。
毎回、アルバムに貼るのがとても楽しみでした。
しかし、16週目のある日、エコーを見ていた技士さんの様子がいつもとは違っていました。
なんだか、何度も赤ちゃんの頭の方を見ている気がしたのです。そんな時の嫌な予感というのは、当たってしまうもの…。
技士さんが主治医の元へ話しに言ってから20分、30分と時間が経過するにつれ、私の不安は予感から確信へと変わっていきました。
毎回、通院に付いて来てくれている主人の手を何度も強く握ったのを今でも覚えています。
30分以上経ち、私達は主治医の元へ呼ばれました。
明るく世間話をしてくださる先生を見てると、胸が苦しくなりました。
しばらくして、先生が口を開きました。
「今、赤ちゃんの脳に嚢胞があります。これは、100人に1人の割合でできるもので、多くは成長と共に消えて行くものなので、あまり過度に心配しないでくださいね」
私は、心では覚悟していたはずなのに、頭が真っ白になりました。
一瞬、呼吸の仕方を忘れた程です。先生の「100人に1人」という言葉と、「多くは自然に消えていく」という言葉が、グルグル回っていました。
「もし、消えなかったら?」
自分の声が震えていました。
しかし、先生は私の不安を察知して下さり、優しく言いました。
「大丈夫ですよ。経過観察していきましょうね。」
その言葉に私はただ頷くしか出来なかった事を覚えています。
そのときから、あんなに嬉しかったエコー写真がどうしても見ることができなくなりました。
ネット検索で「嚢胞」というキーワード検索をどれ程行ったか分かりません。
その度に一喜一憂していた自分がいました。
そんな時、夫が一言私に言ってくれたのです。
「この子は、エコー写真でママに心配をしないで、という意味で嚢胞を見せたんじゃない?これから、成長と共に消えて行くよって伝えるために、エコー写真を一緒に見ようよ」
夫のその言葉に、肩の力が抜けた気がしました。
現在24週目ですが、まだ、嚢胞が消えているか確認はできていない状態です。
しかし、今は過度に不安に思うことはやめようと思っています。
そして、この子のためにもっと強くなろうと思っています。
次の健診が楽しみです。
それは、嚢胞がどうなっているかというよりも、赤ちゃんの成長を見たいと思うからです。