ゼクシィBaby みんなの体験記


出産記録

出産に対して、私は非常に楽観的に考えていました。

 

人類、何十億年と生命が続いてきて、数えきれない程の人が、母の体から生まれてきた。

その中には色んな出産があったかもしれないけど、どの母もみんな乗り越えてきました。

 

出産は大変かもしれないけど、乗り越えられない訳がない。

痛いかもしれないけど、私でもきっと乗り越えられる。

だって、出産は病気じゃなくて、自然な事なんだから。

 

そして、その痛みの後には、かわいい我が子に会える!!

私はその事のワクワク感の方が大きくて、初めて体験する、たぶん人生で一番痛いであろう出産に対して、あまり不安や心配を感じてはいませんでした。

 

だから、他の人が経験した出産に対しての感想など、本になって色々出ていたりするけど、ちっとも興味がありませんでした。

出産は十人十色。

私の出産にそれが当てはまるとは思わなかったし、それを読んで不安になる事はあまり意味がないような気がしていたのです。

 

それに、何といっても、私は忙しすぎました。

出産間際までやる事がいっぱいあって、不安に思う暇もなかったのも事実です。

 

母親学級というのは、せっかくだし行ってみたかったんだけど、それは何故か、平日の午前中に時間が設定されていました。

おまけに毎週、出席しないといけないという。

仕事をしている私には、とても行ける時間ではありませんでした。

 

なので、恥ずかしながらも、母親学級へも一度も行けませんでした。

いきみ方とか、逃し方とか、お風呂の入れ方などなど、

「まぁ、何とかなるでしょ。そばに助産師さんが付いてるって言うし~」

のいつもの楽観主義で、その時になったら教えてもらおう、位の気持ちでいたのです。

 

そんな事で、私は出産当日迎えるまで、殆ど心配や不安を感じる事はなく、

「早く生まれて来ないかなぁ、どんな出産になるんだろ~」

と楽しみでワクワクして、仕方ありませんでした。

 

予定日を8日過ぎた、5月28日。朝の5時頃、お腹に少し痛みがありました。

生理痛のような、鈍い痛み。何だか眠れない。

しょうがないから、ストレッチでもしようかと起きて、とりあえず別の部屋で移動。

痛みの間隔を計ってみると、20分間隔。痛みは40秒位でス~っとなくなりました。

「ん??これはもしや、陣痛?!」

 

様子を見る為に時計を見ていると、次は18分、次は15分…

「おぉ?何だか、だんだん間隔が短くなってるぞ…」

 

6時に旦那を起こしてみる。

「ねぇ、陣痛来たかも」

私も旦那も、初産は時間がかかるって思っていました。

「ほんと?じゃ、ちょっと様子見てて。」

と言って、呑気にも旦那はまた寝てしまいました。

 

次の陣痛は10分後に来ました。

「あれ~?もう10分間隔になったよ。病院に連絡しなきゃ。」

やっと病院に連絡を入れたのが7時半。

病院に電話すると、

「朝ごはん食べて来て下さいね。」

との事。

両方の父母にも連絡をし、旦那は仕事先にお休みの連絡をしました。

 

せめてシャワーと朝ごはんを…と思っている間にも、痛みはだんだんひどくなり、陣痛の間隔はあれよあれよと短くなりました。

痛みが来ている間は動けなくなってうずくまってしまいます。

やっと支度できた頃には、既に陣痛は5分間隔になっていました。

 

病院までは、車で30分以上かかります。

車の中でも陣痛の間隔は縮まってきて、さすがの私も不安になってきました。

「え~?!こんなに早くに陣痛って早まるの??」

痛みが来る時は、とにかくフーフーと大きく息をして、深呼吸。

 

病院に着いたのは、9時半。

看護士さんに「遅いから心配していましたよ!何やってたんですか!すぐに診察室に入って!!」

と怒られてしまいました。

そして、すぐに診察台の上へ。

「子宮口、8cmに開いてますねー。すぐに分娩室に入りますから。」

と言って、まずは浣腸をして、トイレへ。

その間にも陣痛はやってきて、その度に動けなくなります。

 

分娩室って、もっと後に入るかと思っていました。

別の部屋で半日位、陣痛と戦ってからギリギリに入るものだとばかり思っていたので、

着いてすぐに入るなんて、ちょっとびっくり。

 

分娩室では、助産師さんが付いて、テキパキと動いてくれました。

わたしの脱いだ服も慣れた手つきで片づけてしまいました。

分娩台に上がったら、お腹に赤ちゃんの心拍を計るモニター付けて、腕にはブドウ糖の点滴が打たれました。

 

そこで、私は、コンタクトレンズを付けている事に気付きました。

支度をしながら(自分でも無意識のうちに)いつもの癖で、コンタクトを付けてしまっていたんですね。

陣痛の合間にようやくコンタクトを外しました。(ちょっと自分でも苦笑い)

 

出産前日まで、旦那は、立会出産は無理だと言っていました。

それが、当日、

「立ち会います。」

と自分からハッキリ言ったのです。

私はびっくりしました。でも、とっても嬉しかったです。

これで、二人で赤ちゃんを迎えられる!

 

陣痛が来る度に、赤ちゃんの心拍がトクットクッと急に落ちます。

何だか様子が変です。

先生がバタバタっとやってきて、子宮口の様子を何回も見に来ます。

陣痛の時、赤ちゃんが苦しがっているから、もっと酸素いっぱい吸って!!」

と助産師さんに言われました。

赤ちゃん、苦しんでるんだ…。私がもっと頑張らなきゃ!!」

酸素マスクも付けられました。

助産師さんが腰をさすってくれるのが、とても有難かったです。

 

旦那が頭の上に立ち、頭を撫で撫でしながら「頑張れ、頑張れ!」

って言ってくれてました。

とても大きな力になりました。

 

陣痛の痛みはますますひどくなり、段々長くなってきます。

そして、間隔も一息つくのが精いっぱいの短さになってきます。

陣痛が来る度に赤ちゃんの心拍が120→10まで下がりました。

赤ちゃん、お願いだから死なないで!!」

私はそのことばかり考えて、酸素を吸うので必死でした。

お腹はものすごく痛いけど、空気吸わなきゃ、赤ちゃんが死んじゃう!!という思いで、痛いとか叫んでる余裕もありませんでした。

 

助産師さんが先生を何度も呼びに行き、その度に先生がバタバタっとやってきます。

「子宮口、9cm、あと少しだからね! 赤ちゃんちゃんと降りて来ているから、もう少し頑張って!!」

先生の声が聞こえました。

「もう少しだ!赤ちゃん、頑張って!お願い!死なないで!!」

と祈る様に、私は息を大きく吸って吐いて…

 

「子宮口全開!!次の痛みが来たら、2回息を大きく吸って、3回目でいきんで!」

よし!

痛みが襲ってきました。

ス~~~、ハ~~~、ス~~~、ハ~~~、フーーーン!!

 

いきみ方が分からず、私は大きく力を入れてフーン!!と声を出しました。

「声は出さないで!息は止めて!ウンチを出すような感じでもっと力入れて!もう一回!」

と言われたので、私は本当に便を出すような要領で力をいれました。

いきんでいる間は息をするなと言うので、息を止めて全ての力をふんばる事に集中しました。そのふんばっている間が長くて、苦しくて、

「もっと伸ばして!頑張って!」

と言われている間に、酸素マスクをつけているのにも関わらず酸欠状態になり、意識がもうろうとしてきました。

 

2回目か3回目のいきみの後、先生が言いました。

「ちょっと赤ちゃん出にくい様なので、吸引します!」

もうこの時は何でもいいから、早く出して欲しいという感じでした。

 

4回目のいきみが来た時に、正に腰が砕けそうな痛みがあり、大きな塊が通ったのが分かりました。

「ハイ!いきむのやめて!!」

次の瞬間、股の間から、紫色になった赤ちゃんの頭が見えました。

「ホニャ~ホニャ~ホニャ~!」

すぐに、大きな泣き声が聞こえました。

 

産まれた~!産まれた~!!

良かった~!

生きてて良かった…

 

甲高い元気な泣き声が聞こえて、私は安堵感で意識がボ~っとしていました。

赤ちゃんはタオルにくるまれて拭かれ、私の所にやってきました。

おちんちんついてる…男の子だね…

やっと会えた赤ちゃん、会いたかった赤ちゃん

よく頑張ったね…

苦しかったね…

 

赤ちゃんは赤くて、しわくちゃで、ホギャホギャ泣いて、お猿さんみたいで本当にかわいかったです。

全身に薄く毛が生えていました。

 

赤ちゃんは少しの間お腹の上に乗った後、お風呂に入れる為に助産師さんに預けられました。

そして、胎盤がズルンと出てきました。

 

「先生、安産でしたか?」

「う~ん、まあまあ普通だね。首にヘソの緒が2重も巻き付いていたからね。」

「え!?」

 

そこで初めて、とても危ない状態だった事を知りました。

何でも、ヘソの緒が70cmと長く、首に2重も巻き付いた状態だったらしい。

だから、赤ちゃんが出ようとすると、首を絞められて酸欠状態になって、心拍が落ちていたらしい。

吸引したから何とか出れたけど、一歩間違えれば危なかったそうです。

ヘソの緒が長かったから助かったけど、短かったり、もっと時間がかかっていたら…

考えたらぞ~っとしました。

出産ってホント、命がけ。

赤ちゃんもお母さんも、命かけて生まれてくるんだなぁ…。

 

先生は、切れた傷跡をチクチク縫い始めました。

これがまた、痛かった! 麻酔、本当に効いているのか??って位に。

出産が終わって、気が抜けているので、余計に一針一針が痛く感じました。

 

いつもは無口な先生が、無事に生まれた安堵感からか、嬉しそうに饒舌に話しかけてきます。

「体重は2486g。推定体重は2990gだったけど、それは頭が大きくて、手足が長いからだね~。筋肉はおおよそで計算しているから、大分違ったんだね。」

 

それにしても早かったです。

陣痛が始まってから、あっという間でした。

分娩室に入ってからは、約1時間半位で生まれてきました。

何はともあれ、無事に生まれて本当に良かったです。

著者:ポッター

初めての時の話です

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