ゼクシィBaby みんなの体験記


男性不妊の治療、待望の妊娠。自分の子なんて想像もできなかった私が父になった日

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自分の子どもなんて想像できなかった…。

 

38歳で第一子を授かりました。体重3512g、身長50cm、生まれたばかりなのに髪の毛がふさふさで、眼を開き私を見つめる我が子を見た時、思わず涙が零れました…。

 

ずっと共働きで忙しかった私達夫婦はなかなか子どもが作れず、本格的に作ろうと思ったのは妻が32歳を過ぎてからでした。

3年が過ぎても子どもが生まれず、妻がまず不妊治療を受けました。

不妊というとまず女性側が検査を受けることが多いと思いますが、男性側に原因があるケースも多く、私達の場合はまさにそうでした。

両精巣の巨大な静脈瘤。これにより健康な精子が作られず、妊娠に至らないとの説明を受けました。

妻の出産リスクが高くなる年齢になっていたこともあり、腹腔鏡による静脈瘤の結紮手術を行いました。

その後も通院を繰り返し、精子の健康度を調べながらもなかなか状況が改善しない日々が続きました。

 

この間、私達が悲しみに暮れてたということはなく、妻は私の身体を心配しながらも気負わせないように配慮してくれ、二人で楽しい時間は過ごしていました。

しかし、時間が立てば立つほど、自分には子どもは作れないのではないか…、もっと早く子どもを作っておけばよかった…と、諦めや後悔に似た感情が浮かんでくるのは止められませんでした。

 

そんな、手術から半年が過ぎようとしたある日、妻に生理が来ないというので、かかりつけの産婦人科に行ったところ、妊娠していることが分かったのです。

超音波の写真では、まだ卵の状態の我が子がしっかりと子宮内で存在感を示していました。

念願の我が子を授かった…、が、その時の自分には状況がうまく把握できなかったのか、ただ「子どもができたんだなぁ」と思うだけでした。

 

それから妻のお腹の中で子どもはみるみると大きくなり、顔や手、脚、骨や心臓の動きなどが見え始め、1つの命としてそこにあるのだと改めて認識しました。

妻は大きくなるお腹に悪戦苦闘し、逆子逆子体操を何度も繰り返し、子どもの誕生を待たせた両親に大きなお腹を見せに行き…そうこうしているうちにあっという間に10ヶ月が過ぎました。

 

予定日の11日前、出産予定の病院で診察を受けて帰ってきたその夜、妻の「破水しているみたい」と言う声で飛び起きました。

まとめておいた荷物を持ち、そのまま病院へ入院となりました。そこから出産まで、約21時間の格闘の始まりでした。

 

陣痛初期は軽口も叩けた妻が段々と言葉少なになり、部屋に聞こえるのは周りの妊婦さんが頑張る声、妻の胎内音、痛みに耐える声だけでした。

普段痛みを極端に嫌う妻だったので、出産は本当に辛かったのだと思います。

 

長い陣痛室での戦いから分娩室に入り、妻は頑張っていきみ始めましたが、なかなか子どもが降りてきません。

陣痛が弱いと産科の先生が誘発剤等を入れるなど子どもをこちらへ導いてくれますが、なかなか出てきません。

そのうち妻の体力も限界が近いこともあり、鉗子を使って引っ張りだす事になりました。

 

まるでサラダを取り分けるスプーンを巨大にしたような鉗子を使い、子どもを引っ張り出します。

今まで聞いたことのないような妻の苦しそうな声とともに、小さな小さな赤ちゃんが現れました…。

 

「産声が聞こえない!」

そう思った自分ですが、何をどうしていいか分からずそこで立ちすくんでいました。

そうしているうちに、産科の先生が子どもを触ると、羊水にまみれた我が子がか細い声で産声を上げました。

 

保温器に入れられ、タオルにくるまれた我が子。

髪は羊水でぐちゃぐちゃながら、真っ黒な黒髪がすでにふさふさでした。

引っ張られた時にこすったのか、左目の脇にはかすかな赤い擦り傷。それでも開けづらい眼をしっかりと開き、私の指を握ってきました。

小さな小さな指で、でもしっかりと分かる力で私の指を掴んでいました。

 

20代、自分の子どもなどいらないと思っていました。

30代、子どもが欲しいと思った時には、自分は子どもを作れない身体でした。不妊治療中、自分の子どもを想像できない日々が続きました。

妊娠後、うまく現実のこととして認識することができないでいました。

 

そんな私が、生まれた我が子を見た時、これまでの経緯などまったく関係なく、ただただ純粋に嬉しく、感動し、涙が零れました。

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現在産後4ヶ月。体重は順調に増え、8kgになりました。

相変わらず髪はフサフサで、最近は色んな物を眼で追い、手で掴むようになりました。

私の日課は夜のお風呂とおむつ交換で、最初はぼうっとしていた(それでも泣かなかった)お風呂ですが、今は笑顔で「うー」とか「あー」とか会話しながら入ってます。

 

これから何年、何十年の人生がこの子を待っています。

今はただ、授かった可愛い我が子を見守っていきたい気持ちだけです。

著者:よしくん

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。