赤すぐみんなの体験記


「息子はね、私より先に死んじゃったの…」公園で出会ったおばあさんに気付かせてもらった大切なこと

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予定日より少し早めに誕生した長男。
体重は2750グラムと少々小さめ。
しかし、初産にもかかわらず、陣痛開始から出産まで7時間という「スーパー安産」な出産でした。

退院から1か月は里帰りをしていたため、”育児が大変だ”とは感じることは少なく、ただひたすらか弱い声で泣く息子が可愛くて仕方ありませんでした。


ところが実家から自宅に帰った時から、私の地獄は始まったのです。


授乳に加え、夜泣き、ぐずり…長男はとにかく寝なかった!「寝たか…?」と思うと、あっと言う間に起きる。
夜はきっちり2時間おきに泣き、おっぱいを欲しがる。
家事もしなくちゃいけない、母乳で育てなくちゃいけない、旦那は育児に参加してくれない…。
子どもを心から愛していても、そんな毎日が続き、精神的にも肉体的にもヘトヘトだったのです。

テレビで虐待のニュースを見ては、「わかるような気がする」と思ってしまう自分がただただ怖かったです。

そんなある日。

天気も良いし、気分転換にもなると思い、息子を連れて散歩に出ました。
ベビーカーを押しながら近所の小さい公園に行くと、老人ホームの利用者の人たちが日光浴に来ていたのです。介護士と一緒にお花を見ながら笑ったりしている人、眠たそうにしている人。いろんなお年寄りがいました。


その時、「ここにどうぞ」とベンチの方から声が。
ベンチに座った銀髪のおばあさんが隣の席を指さしていたので、私はお言葉に甘えて隣に座りました。


「可愛いわねえ。天使みたい」

 

息子を見たおばあさんがニコニコと話しかけてきました。
その時の私は…愛想笑いも上手にできないほど疲れ切っていて、曖昧に「はぁ」と苦笑いするのが精一杯。
そんな私に構わずおばあさんは話し続けたのです。

 

「私には○○という男の子がいたんだけど、重い病気でね。小さいうちに、私より先に死んじゃったの。ひどいでしょ?」

 

ふふっと笑みを浮かべながら、かなり重たい話をさらりと話しているおばあさん。


「親より先に死んじゃうなんて…まったく親不孝だわよねぇ。(息子の顔を見て)…本当にかわいい。あなたの宝物よ、命をかけて大事になさい。」

 

ニッコリ笑うと、おばあさんは「帰りますよ」と施設の人と帰りました。

 

気持ちよさそうにベビーカーから私を見上げる息子。
あたたかい春の公園のベンチで、涙が止まらなくなってしまった私。

 

寝ない子は「親不孝」。
食べない子は「親不孝」。
自分をこんなに困らせる子は「親不孝」…
自分は何てくだらないことを考えていたんだろうと。

子育てが楽で「よく寝るのよ」「いっぱいお昼寝するのよ」という周囲の声と比較して、自分はついていないと思っていた。

でも「そうじゃないんだ」とおばあさんに気付かせてもらったのです。

寝なくても、いっぱい泣いても、ぐずぐず言ってもいい。今、生きてそばにいてくれるだけで奇跡みたいなことなんだと。

懐かしそうな、悲しそうな顔をしていたおばあさんの顔が、一生忘れられません。

 

著者:ハッピーデイズ
年齢:29歳
子どもの年齢:2歳

 

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