ゼクシィBaby みんなの体験記


育児の知識ゼロのまま、母乳スパルタ病院で出産。出産直後からの授乳特訓に悲鳴

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出産・育児についてなんの知識もないまま子どもを産んでしまった筆者。

意地になって育児雑誌を読まなかったせいもあるのだが、子どもが生まれてから退院するまでの10日ほど、産院で“スパルタ教育”を施されることになる。

 

■術後こんなに早く歩かされると思ってなかった

第1子は陣痛誘発剤を使っても出てこなかったため、41週6日で緊急帝王切開になった。

はじめての入院、はじめての手術、はじめての出産、はじめての育児……。

これ以上ないほどの『はじめて』という冠を引っさげて、わけがわからないままに出産が終わっていた。

 

前の晩、お腹を切ったばかりというのに、翌日の昼にはもう新生児室に行って授乳開始だという。

「歩いて?」

「そう、歩いて」

このときの心境、一言で表すなら

「マジかー……」

である。

 

結局、さんざん

「無理!痛い!無理!」

と病室で叫び、車椅子を使わせてもらったが、本当につらいのはその後はじまる授乳訓練なのである。

 

■「出ないもんは出ない!」からの「出すぎて痛い!」

歩くのがやっと、という状態でなんとか授乳室に行き、助産師さんの指導で新生児に授乳を開始した。

しかし、順調に進んでいる経産婦さんたちを横目に、まったく出ているフシがない。

助産師さんが病室に来てくれて“おっぱいマッサージ”を行うが、あまりの痛さに暴言を吐く始末。

赤ちゃん、体重増えないと退院できないからねー。がんばってね」

そんなこといわれても、出ないもんは出ないのである。

 

しかし翌日、突然寝ている時に乳が張るようになり、それはガチガチの岩のようになり、熱を帯びた。

それからはとんでもない量が出るようになってしまったのだが、肝心の赤子が寝ている、泣いた時に私が不在だったためミルクを足したばかり、などの理由で授乳できないタイミングも多かった。

睡眠不足を解消すべく寝ようとするも、乳が痛くてそれどころではない。

そんなときには助産師さんにマッサージをお願いしたのだが、これがまた痛い。

 

陣痛~出産~術後の痛みと、この数日痛いことばかりが続いていた上、授乳の痛みもプラスされ、私は完全に心が折れてしまった。

「もう授乳イヤだ、寝たい。赤ちゃんつらい……」

 

■母子同室で休めない

第1子を産んだ病院は、基本的に日中は母子同室、夜間は新生児室で預かってくれるが、泣いたら即呼び出しがかかる。

24時間母子同室のところに比べればパラダイスともいえようが、これはこれで、出産後のヴィジョンをまったく描けておらず、心構えがなかった筆者には大打撃だったのだ。

赤ちゃん泣いてますよー」

その日も夜中に看護師さんがやってきた。

かすかに、独特のハスキーボイスで泣いている長男の声が聞こえた。

「知ってるよ!」

と言いかけたのをぐっとこらえて、

「つらくて行けません」

と答えた。

それを受けて、翌朝からケア担当の看護師さんが一人配置されることになったのだが、このとき願っていたのは、とにかくストレスなく50時間くらい眠りたいということ。

しかし、

「吸わないと出なくなるから。みんなやってることだよ、がんばって!」

という助産師に、

「みんなって誰ですか、もうがんばれません」

と答える私の、かみ合わないやり取りは、退院まで続くのだった。

 

母乳は大事。だけどお母さんの心はもっと大事

母乳とミルクの関係はいろいろな研究結果が毎年出ており、なにを信じていいやら、というのが正直なところではあるが、可能であるならば、出るのであれば母乳に越したことがない、というのが昨今の風潮だろう。

1人目のときは、たくさん出るにもかかわらず、退院後には

「もう夜中起きたくない、眠い」

という私の要望で、夜間はもっぱら夫がミルクを与えて、日中は両方あげるという方式で育てていた。

保育園に入れる都合もあったため、哺乳瓶慣れしてくれたことは結果としてよかったし、夫も祖父母たちも授乳に参加できて、いいこと尽くめだった!という印象しか残っていない。

 

2人目のときは2ヶ月で保育園に入ったことと、次男の入院を期に、あんなにたくさん出ていたおっぱいが出にくくなってしまい、本人も直母での授乳にさほど興味を示さない……という状況が続いたため、9ヶ月で母乳をやめてしまった。

育児にも慣れて、

「今度こそ落ち着いて授乳を楽しめる!」

と思っていたのに、早期で終わってしまったことは残念である。

 

授乳中のあの、なんともいえない幸せな気分は、離乳食をガッツリ食べるようになった今、もう戻ってはこない。

そもそも『授乳が楽しいと思う日が来るなんて!』という気持ちなのだ。

今後の見通しが立っている──それだけで育児は苦痛から楽しみに変わる、ということは、2人目を産んでみてはじめて知ったことである。

 

ちなみに、2度目の出産はあらかじめ、母体を休ませることをモットーに掲げている病院をチョイスし、術後すぐ歩かされるのは変わらないにしても、

「来なくても大丈夫ですよ」

と言われているのに、私から授乳室に出向くような状態であった。

“お母さんの心に余裕があれば、赤ちゃんといっしょにがんばれる。”

2回の出産から得たものはそれに尽きるのである。

そのためには、産院をはじめ、家族や地域、保育園など、関係各所の協力が欠かせないのだろう。

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著者:kikka303
年齢:39歳
子どもの年齢:5歳2ヶ月・0歳11ヶ月

1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、会社員としてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。 @

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