赤すぐみんなの体験記


[小島慶子さん×中野円佳さん対談 第4回] 腹をくくって強くなる!保育園について、仕事との両立について

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元TBSアナウンサーで、現在はタレントやエッセイストなど、マルチに活躍されている小島慶子さんと、女性活用ジャーナリスト/研究者で、 2人目妊娠中の中野円佳さん(11月初旬に出産)。働くママにとって子どもが病気にかかった時に仕事をどう調整するのか、もっとも悩ましいところですが、お2人はどうしているのでしょうか。また、職場でのコミュニケーションの取り方などをお聞きしました。

第1回:上の子ケア、仕事との両立、不安…二人目育児あれこれ
第2回:自覚ナシの1人目、産後クライシス、そして父性が芽生えた2人目――パパの育て方
第3回:完璧ママは目指さなくていい! 家事代行なども上手に利用 

 

小島さん:子どもが病気の時は大変ですよね。私は病児シッターさんにお願いしていました。病児保育は定員がいっぱいなことが多く、お医者さんに書類を書いてもらわなくてはいけないのでなかなか利用できず…。病児シッターを頼むと1時間2500円ほどするので、病気が続いた時期は私の手取りがほぼそれで消えてしまうことも。最初は、預けることに抵抗感を感じることもありました。「病気なんだから側にいてあげたい」って。

 

中野さん:でも、子どもって、38度以下とかであればちょっとくらいが出ても元気だったりしませんか。私は仕事を休んだのに、何でこんなに元気なの…って。 

 

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小島さん:そう。子どもってけっこう元気なのよね。帰ってから、「大丈夫? 私がいなくて寂しかったでしょ?」って言っても「大丈夫。今日のシッターさん面白かったよ」なんて。そのときは、子どもに励まされたなって思いました

 

お迎え時にママがめいっぱい喜ぶと子どもが安心する 

小島さん:最初は、保育園に預けることにも抵抗感を感じるかもしれませんが、子どもは、「今日はママと何時間一緒にいた」とタイマーで計っているわけではないので、そのときそのときで一緒にいられる時間を大事にすればいいのかな、と思えるようになりました。大事なのは共感。「僕は寂しいのに、ママは寂しがっていない」と思ったら、たぶんすごく辛いじゃないですか。でも「ママもどうやらめちゃめちゃ寂しいらしい」ってわかったら、安心できると思う。お迎えでお母さんが「会いたかった!」ってすごく嬉しそうにすれば「ママも僕に会いたかったんだ。離れていても僕のこと考えてくれたんだ」って思えますよね。

それは、同期の先輩ママが教えてくれたことなんです。その人は、お迎えに行ったときに自分の子どもを抱き上げてくるくる回ったりして「会えて嬉しいー」って言うらしいのね。「そうすると預けても安心するよ」と聞いていたので。

 

中野さん:お迎えでそこまで意識したことはないですが、1人目は生後5カ月から一時保育を利用していたので、人見知りする時期には保育園になじんでいました。最初は心配もあったけど、走ってお迎えに行くと「まだ遊びたいのに」とそっぽを向かれたりして。でも、保育士さんと人間関係を作るなかで、健全に育ってくれていると思います。

私は「ママじゃなきゃダメ」という子どもになって欲しくないって思っているんです。私がいなくてもケロッとしている子どもを見ると、むしろ嬉しい。夫と子どもが仲良くしていたり、夫の実家にひとりで泊まりに行ったり。いろんな人と関わってもらいたいです。

 

小島さん:それはありますよね。昨年、オーストラリアに転校したときにも、息子たちに人見知りがまったくなくて拍子抜けしたほど。こんな人見知りの母から生まれてきたとは思えなくて。理由を考えると、0歳の頃からいろいろな大人に接していたからなのかな…って。夫と「片道20分の大変な送り迎えは無駄ではなかったね」と喜びました。

 

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後ろめたさを感じる必要はない! 職場に制度があるなら堂々と使って

小島さん:私はとってもマイペースなので、会社員の時には「制度があるなら使えばいいじゃん!」と思っていました。ただ、早く帰るにも「子どもがいるので当然の権利です!」なんて周りの人には言いませんよ。「本当に、ご迷惑かけてすみません」って謝りながら…。迷惑そうな顔をする人もいますが、それを気に病むのではなく「ちゃんと権利があるんだから、悪いことをしているわけじゃない」って心の中では思っていました。

 

中野さん:私は1人目が産まれた後に復帰したときは新聞記者でした。そのときにいた部署は割と1人で完結する仕事だったので、早め早めに仕事を終わらせることで乗り切っていました。周りに何か代わりに仕事をしてもらうことはほとんどなかったですし、むしろ早めに原稿出してくれて助かると言われることもあり、嫌味を言う人もいなかったですね。ただ、急に保育園から呼び出されたりすることもあるので、日頃から「子どもってすぐ病気になる」とか、子どもってこういう感じ、というのを周りに伝えるようにはしていました。新聞社の場合、ニュースの部門などでは、急に呼び出されたり出張に行くようなこともあるので、そういう部署だと難しいのかもしれないけど。

 

小島さん:私も報道班は抜けました。実は、ニュースを読むのがすごく向いてなかったというのもありますが(笑)、いつ呼び出されるかわからないという仕事は無理だと思って。これはもう、しょうがない。

 

女性だけの職場に転職して、理解の深さに感激

中野さん:私は現在転職して、今の会社は9割が女性なんですね。しかも半分がワーキングマザーなので、基本的にみんな6時には帰ります。そういう環境に入って初めて、いろいろな事情を説明しなくていいっていうのはこんなにラクなのか!と思いました。

 

小島さん:「子どもが溶連菌で…」というと「ああ、わかるわ」って感じ?

 

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中野さん:そうそう(笑)。新聞社の時にとても苦労したかというと、そういうわけではないのですが、新しい職場になってこんなにラクな世界があったのか、という感じです。

 

小島さん:子どもってしょっちゅうを出すから「小島の子どもは先週も出したよな」とか言われていたことを思い出しますね。「いや、子ども2人いるんですけど」って…。「身体が弱いな、こんなにしょっちゅう出して」と子どもがいる人に言われたり。その人の子どももそうだったはずなのに、奥さんが看病していたのを知らないだけなんでしょうね。

 

中野さん男性の場合、子どもがいても、奥さんがすべて引き受けてくれていると、あまり大変さを理解していない人はいますよね。あと、子どもの感染症を甘くみてるな…と感じることも(笑)。私の場合、日頃からできるだけ仕事を早く進めて、休んでも大丈夫なようにしておいたり、風邪引きそうだなという予感がある時には、あらかじめどうするか考えたりしています。あとは、自分にうつらないように最大限注意したりとか。

 

小島さん:わかります、わかります。でもそういうことって、体験していない人には伝わらないんですよね…。もし、責められたら「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、子どものは予測もできず、どうにもならないことなんです。こういう制度を使いました」って言うしかないですよね。それはもう、腹をくくって、ある意味、強くなるってことなのかも。本当に理解してもらうのは無理なんじゃないかな。自分だって、自分とは違った事情の人、例えば親の介護をしている人の気持ちや事情は、なかなかわからないことも多いですものね。

小島慶子

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1972年、オーストラリア生まれ。1995年、TBSにアナウンサーとして入社。2010年にTBSを退社以降、現在はタレント、エッセイストとして活躍。中1と小4の男の子のママ。夫の退職を機に、生活の拠点をオーストラリア・パースに移す。著書にエッセイ『大黒柱マザー』(双葉社)、小説『わたしの神様』(幻冬舎)など。

 

中野円佳

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女性活用ジャーナリスト/研究者。1984年生まれ、東京都出身。東京大学教育学部卒業後、新聞社に入社。育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科に通い、提出した修士論文を『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)として出版。2015年に新聞社を退社後、株式会社チェンジウェーブにて企業のダイバーシティ推進を手がける。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

撮影/大久保聡 スタイリング/鈴木由里香[中野さん] ヘアメイク/松田美穂(アルール)[小島さん]、得字マキ(ヌーデ)[中野さん] 構成/相馬由子 取材・文/栃尾江美(アバンギャルド)

 

過去記事 

akasugu.fcart.jp