2018年1月5日 更新

妊婦のウイルス性胃腸炎。母体や胎児への影響は?

ウイルスに感染して起こるウイルス性胃腸炎は、激しい嘔吐や下痢を繰り返し、時には発熱をともなうのが特徴です。妊娠中にかかったときの母体や胎児への影響について、紹介します。

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胃腸炎を起こすウイルスには様々な種類がある

細菌やウイルスなどの病原体によって激しい嘔吐や下痢が急激に起こるのが、感染性胃腸炎です。軽い腹痛から徐々に痛みが強くなる虫垂炎(盲腸)のような病気とは異なり、急に嘔吐が始まり、下痢も出現し、胃と腸の両方に症状が現れるのが感染性胃腸炎の特徴です。
一般的には細菌によって起こるものは、ウイルスによるものより症状が重く、時には命に危険が及ぶこともあります。しかし細菌性胃腸炎(O-157やサルモネラ菌などによるものがよく知られています)は、食品管理が行き届いている昨今では発生数はそれほど多くなく、気温が高く細菌が繁殖しやすい夏に多く発生します。そのため、気温の低い冬に起こる胃腸炎は、圧倒的にウイルス性が多いです。
ウイルス性胃腸炎を起こすウイルスでよく知られているのは、ノロウイルスやロタウイルスですが、その他にもアデノウイルス、小型球形ウイルスなど種類はたくさんあります。

妊娠初期に嘔吐だけでなく発熱や下痢がみられたら

これらウイルス感染による胃腸炎は、妊娠中でも珍しいことではありません。妊娠初期では、症状が吐き気・嘔吐だけであれば「つわりのせい」と思ってしまうかもしれませんが、発熱が見られたり、下痢症状が現れたりする場合はウイルス性胃腸炎の可能性が高くなります。
現在までウイルス性胃腸炎によって胎児異常が増加したとの報告はなく、おなかの赤ちゃんに影響はないと考えられています。妊娠初期はもちろん、妊娠中のどの時期であっても、赤ちゃんの異常を心配する必要はないと考えられます。
しかし、嘔吐や下痢が繰り返す場合には吐き気が落ち着いたら少しずつでも水分を補い、脱水症にならないことに注意して下さい。特に妊娠初期のつわりの時期に感染した場合は、少量頻回に水分を摂取することが勧められます。

妊娠中のウイルス性胃腸炎で気を付けることは

まずは予防ですが、主に経口感染なのでやはり手洗いの励行が重要です。外出後の手洗いだけでなく、下痢を訴える家族がいたら食器の始末はもちろんのこと、衣服を触ったあとにも、十分な流水での手洗いを心がけましょう。
原因ウイルスにはたくさんの種類がありますが、共通しているのはウイルスの増殖を抑える薬剤はないということです。下痢は腸内からウイルスを排出するために起こっているとも考えられています。辛い下痢を止めるために、止瀉薬(下痢止め)を使うことは、排出する妨げになるので、好ましくありません。決して自己判断では止瀉薬を使わないようにしましょう。
水分もとれずに嘔吐や下痢を繰り返している状態ならば、診療所や病院に受診しましょう。点滴によって水分を補うだけでも、体力は回復します。ウイルス性胃腸炎は多くの場合、1週間前後で回復します。それまではゆっくりと体を休めて安静に努めましょう。
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Babyplus編集部 Babyplus編集部