2017年8月10日 更新

妊娠中の虫除け。スプレータイプを使っても大丈夫?

妊娠中に虫よけを使っても大丈夫なのか心配する妊婦さんは多いようです。妊娠中の虫よけ使用についての安全性や、スプレータイプの使い方について詳しく解説します。

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虫よけの主成分「ディート」は半世紀以上使われてきた実績が

市販の一般的な虫よけの主成分は、DEET(ディート)と言って、正しい名称をジエチルトルアミドと言います。第二次大戦中に開発され、半世紀以上もの歴史があり世界的にも「虫よけ」と言えば、ディートを使用したもの、というのが一般的です。
ディートには蚊などの害虫を殺す効果はありませんが、肌や衣服に塗布していれば、虫が嫌がって人にとまらないか、とまったとしても針を刺すに至らない、という効果があります。ただしディートは時間が経つと成分が揮発して薄くなるため、効果を長時間持続させたい場合は、数時間おきに塗布をしなおす必要があります。

ディートは人間にも胎児にも毒性は見られない

ディートは日本でも40年以上の使用実績がありながら、副作用の報告はありません。また、平成17年~22年にかけて、厚生労働省が主体となってディートの安全性についての検討がなされ、ラットに4 週間経皮投与及び 4 週間持続皮下投与神経毒性試験を行った結果、神経系への影響は認めなかったという結果報告がなされています。この試験は皮下投与、つまりディートを注射しているので、人が虫よけとして使う際のスプレーを吹き付けたりする行為よりも確実に血中濃度が高くなりますが、その状況でも影響はありませんでした。

また、この際に海外でのディートについての研究論文も幅広く集められて検討がなされましたが、人間に毒性があると明確に示した信頼性のある報告を見つけるには至っていません。中には妊婦を対象とした研究もあり、妊娠4~9カ月の妊婦さん897人が毎日ディートを使用した結果、神経系、消化器、皮膚への影響はありませんでした。そして、胎盤を通過するかについては、出産後に採取した臍帯血の8%に成分が検出されましたが、赤ちゃんの生存率、1年後の成長・発達については特に異常が認められなかった、という結果になっています。こうした研究結果や、これまで国内で使用されてきた実績を踏まえて、ディートは使用法や使用量を守って使うかぎり安全であり、特に妊娠4カ月以降は胎児毒性などの問題もない、と言えます。

スプレータイプの場合は目や鼻、口などに入らないよう注意を

妊婦さんでもスプレータイプの虫よけを使って構いません。虫よけの製品形態は、従来のスプレータイプに加えて、昨今ではシートタイプや手首などに装着するタイプなども出ています。シートタイプはスプレータイプと同様、肌に塗布する目的のものです。装着するタイプは、レモンユーカリなど虫が嫌う香りをつけたものが多いようですが、その香りが届く範囲でしか虫よけ効果がないので、装着した場所から離れた部位は刺されてしまう可能性があります。効果を得るには、やはり肌を露出している部分にまんべんなく塗布できるシートタイプやスプレータイプがいいでしょう。顔には直接スプレーするのではなく、一度手につけて顔に塗布し、目や鼻、口に入らないようにしましょう。

使用において注意すべきことは、必要性もないときに漫然と使い続けない、ということです。蚊が出ている時期に刺されるのを避けたいからといって、外出もしないのに毎日大量に使い続けるような使い方はやめましょう。妊娠中は肌が敏感になる人も多いので、外出する際に適度に使用し、帰宅したら洗い流す、といった使い方がおすすめです。
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Babyplus編集部 Babyplus編集部