2017年12月4日 更新

溶連菌感染症は妊婦もかかる?妊娠中はどんな影響がある?

溶連菌にはいくつか種類があり、「溶連菌感染症」とは、熱やのどの痛みを起こす細菌性の風邪のことを指すことが多いです。ところが妊婦さんには、もう一つ、無視できないB群溶連菌というのもあります。これら2つの溶連菌感染症について解説します。

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溶連菌感染症は子どもによく見られる細菌性の風邪

溶連菌は、正しくは溶血性連鎖球菌と言う細菌です。さまざまな種類がありますが、病気の原因となるのは、A群、B群、C群、G群などの溶連菌です。溶連菌による風邪、というとそのほとんどがA群によるものなので、一般的にはA群溶血性連鎖球菌による感染症のことを「溶連菌感染症」と呼んでいます。
この病気は主に小さい子どもの間で流行し、2〜5日の潜伏期間を経て発熱やのどの痛みを引き起こします。3歳未満では熱があまり上がらないケースもあります。さらに赤い小さな発疹が出たり、イチゴ舌と言うツブツブができることもあります。他には頭痛、腹痛、首すじの腫れなどの症状もあります。ふつうの風邪と異なり、咳や鼻水が出ないのも特徴です。
妊婦さんはA群溶連菌に感染しても症状が出ないことが多いのですが、抵抗力が落ちている場合は発症してしまうこともあります。発症してしまった場合、抗生物質の内服で治療します。おなかの赤ちゃんに影響を与えない薬を選んで処方してもらいましょう。溶連菌感染症には腎臓に急性糸球体腎炎のという重い続発症を起こす可能性があるため、症状がなくなっても、お薬を決められた日数飲み続けてください。少なくとも10日間という期間で、その後、尿検査をして腎炎の可能性がなくなれば、治療は終わりです。一方でとてもまれですが、妊婦さんは劇症型A群溶連菌感染症となってしまうこともあり、注意する必要があります。わが国で2010~2013年に7人の妊婦さんが、この病気で命を落としています。そのすべてが子宮内胎児死亡であり、最初の風邪のような症状から4日以内に劇症化しています。溶連菌感染症と診断された上のお子さんからうつったかなと思ったら、早めに受診し、医師の診察を受けましょう。

妊婦さんはB群溶連菌にも注意を

ところで、妊婦さんにとっては、同じ溶連菌のうちのB群溶連菌(GBS)のほうが、数のうえでは多く、問題になることがあります。この菌は腸内の常在菌で、10~30%の妊婦さんが持っている(保菌)とされています。予防をしないと保菌者から経腟分娩で生まれた赤ちゃんの約半数が分娩時に保菌してしまい、そのうち1%程度の赤ちゃんがGBS感染症となって、死亡や神経学的後遺症を起こす可能性があります。このため、妊婦さんは妊娠後期(35週から37週)に、分娩する施設で肛門あるいは腟のGBS検査を受けます。
抗生物質の効果がありますが、投与終了後に再び陽性になってしまうことが多いです。そのため陽性であった場合は、分娩中にペニシリン系の抗生物質の点滴を行い、赤ちゃんへの感染を防ぎながらお産をすることが勧められています。
このように、同じ溶連菌であっても、種類によって全く症状や対応が異なります。どちらもありふれた菌ですが、A群溶連菌では抵抗力が弱っているときに感染・発症しやすいので、普段から規則正しい生活を心がけて、栄養・睡眠を十分にとること、十分な手洗いと外出時のマスク着用をお勧めします。B群溶連菌は常在菌ですので、保菌されている方は分娩時の抗生物質投与が新生児への感染予防効果があります。
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Babyplus編集部 Babyplus編集部