2017年12月1日 更新

ロタウイルス、妊婦が感染したときのリスクと対処法は?

寒い時期に流行するウイルス性胃腸炎のひとつ、ロタウイルス感染症。もしも妊婦さんが感染してしまったら、どのようなリスクがあるのか、また対処法はどうしたらいいのか、詳しく解説します。

1,842 view

繰り返す嘔吐や下痢、発熱が代表的な症状

ロタウイルス感染症は小さな子どもに多い感染症で、激しい嘔吐や下痢といった急性胃腸炎を引き起こします。流行時期はおおむね2月から5月で、ノロウイルスよりも、より少し遅れて流行のピークが訪れます。
感染経路は、糞口感染と言って、感染者の便に排出されたウイルスが直接的・間接的に手などに付着して口から侵入し、成立します。原因となるロタウイルスはとても感染力が強く、体内に侵入するのが10~100個程度でも感染してしまいます。ここまではノロウイルスとほとんど同じです。潜伏期間はノロウイルスより長く1~4日ほどで、発熱と嘔吐の症状が現れ、後に下痢が始まります。何度も繰り返す水のような便(水様便)で、便の色が白っぽくなることが多く、白痢と呼ばれています。ひどいときには重度の脱水症になって、入院が必要になります。また大人では稀ですが、脱水症から痙攣を起こしたり、腎炎・腎不全、脳症になったり、血管の中の血液が固まったりするなどして命を落とす人も、国内では毎年報告されています。

二人目を妊娠している人は子どもからうつらないよう注意を

この病気は主に生後6カ月~2歳までの乳幼児がかかることが多く、5歳までにはほぼ100%の人が経験します。一度感染しても再び感染する可能性はあり、二度目からはそれほど重症にはならないことが知られています。
成人でも感染するため、妊娠中でもかかる可能性はあります。ロタウイルス感染症にかかってしまった子どもと接触した大人の3~5割が感染すると考えられていますが、以前感染した時にできた抗体のおかげでそれほどひどい症状が出ることは少ないようです。しかし妊婦さんで抵抗力が落ちている場合は注意が必要です。特に上の子がロタウイルス感染症になった場合、十分に注意しましょう。家庭では、主にウイルスが混入した水や食べ物を口にしたり、ウイルスが付着した物(ドアノブ、手すりなど)に触れた手などから口に入ったりして感染します。そのため、こまめに手洗いをすることはもちろんですが、調理や食事の前には特に念入りに洗うこと、ウイルスが付着している可能性のあるドアノブや手すり、トイレの便座などは消毒するようにしましょう。ノロウイルスと同様に通常のアルコールによる消毒効果は少なく、次亜塩素酸ナトリウムが勧められます。感染してしまった子どもさんの吐物やおむつの処理には、マスクと手袋を着用し、換気に注意してペーパータオルで処理をしましょう。ウイルスが付着しているおむつやペーパータオルはビニール袋に入れて、しっかりと縛って、拡散させないように注意しましょう。

おなかの赤ちゃんにはうつらないので心配しないで

妊娠中にロタウイルス感染症にかかってしまっても、おなかの赤ちゃんに感染してしまった例は報告されていません。なので、そういったリスクは心配せず、治療に専念しましょう。
とはいえ、この病気に効く抗ウイルス薬はありません。そのため、症状を和らげる対症療法が治療の中心になります。まずは脱水症の予防のため、嘔吐・下痢により失われた水分をきちんと補います。枕元に置いて、少しずつでも補水しましょう。経口補水液などを利用するのも一つの方法です。つわりと重なり、飲んでも嘔吐してしまって全く水分も受け付けない場合などは、早めに産科か内科を受診しましょう。ほかの妊婦さんへの感染を防ぐためにも、あらかじめ電話をかけて、受診方法を確認してから出かけることが大切です。点滴などの処置によって、本格的な脱水症となるのを防ぐ治療を行うのが一般的です。
症状が軽くなってきたら少しずつ消化のよいもので栄養をとり、なるべく安静にして全快を待ちましょう。たいていは1週間前後で回復できるでしょう。
11 件

この記事の著者

Babyplus編集部 Babyplus編集部