2017年8月10日 更新

妊娠中の水疱瘡(水痘)はどんな危険がある?

多くの人が子どもの頃にかかっていて、数ある感染症の中でもありふれた軽い病気のように思われがちな水疱瘡(水痘)。でも妊娠中にかかるとちょっと大変です。妊婦さんが水疱瘡にかかるとどんな危険があるか、詳しく解説します。

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発疹と発熱が特徴で子どもを中心に流行する感染症

一般的には水疱瘡と呼ばれることが多いですが正式名称は水痘といい、水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる感染症です。生後6か月から4歳頃までの子どもに多い病気です。感染すると2~3週間ほどの潜伏期間があり、その後に発熱し、体に赤い発疹が現れて水ぶくれ状になり、全身に広がり、強いかゆみも伴います。熱は数日で下がり、水ぶくれは徐々にかさぶたになり、1週間ほどで治ります。

軽症で済む場合が多いのですが、ひどい場合には脳炎や肺炎などの合併症があり、例年10人以上が亡くなっています。感染力が強く、空気感染するのが特徴です。

妊娠中に水痘にかかってしまうと赤ちゃんにリスクが

妊婦さんが水痘になった場合、妊婦さん自身やおなかの赤ちゃんに影響が出る可能性があります。

まず、妊娠初期で水痘にかかった場合は、流産のリスクが上がります。また、妊娠13~20週で初めて感染した場合は、100人に1~2人の割合で胎盤を介しておなかの赤ちゃんに感染し、赤ちゃんが先天性水痘症候群となる恐れがあります。先天性水痘症候群は、精神発達の遅れ、眼の網膜や脈絡膜の炎症、肌のひきつれ、手足の形の異常など多様な症状を引き起こします。

妊娠後期にかかった場合は妊婦さん自身が水痘肺炎という合併症を引き起こして重症化する可能性があります。これは子宮が大きくなったことによって呼吸機能が低下していることが関係していると考えられており、死亡率が2~35%と高く、大変危険です。
そして、出産の前後にかかった場合では3~4割という高い確率で産道感染し、赤ちゃんが新生児水痘を発症します。新生児水痘も、死亡率が約30%という恐ろしい病気であるため、もしも出産間近に水痘にかかってそのまま分娩となった場合は、赤ちゃんが生まれたらただちに抗ウイルス薬や免疫増強物質を投与するなどの治療を始めます。

水痘は妊娠中にかかるとさまざまなリスクにさらされることになりますが、予防接種は生ワクチンで、妊娠中に接種することができません。免疫を持っていない人は、妊娠中に子どもが集まる場所に近づかないようにし、普段からうがい・手洗いをこまめに行って感染しないよう十分に注意しましょう。出産後はワクチンを接種して次の妊娠に備えるのがおすすめです。
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Babyplus編集部 Babyplus編集部