2017年10月20日 更新

授乳中のお母さんの服薬

薬は母乳を介して赤ちゃんに移行することがありますが、その量はごくわずか。授乳中に服薬する際の注意点について解説します。

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薬についての正しい情報を元に医師と相談しながら総合的な判断を

 これまで、良くないとされてきた授乳中のお母さんの服薬ですが、最近の国内外の医学的研究結果によると、多くの薬は、母乳を介して赤ちゃんに届く量がごくわずかで、向精神薬など一部の薬を除けば赤ちゃんに重い症状が生じることはほぼ無いことが明らかになってきました。
 高熱が出てフラフラな状態なのに、赤ちゃんのためにと薬を我慢して授乳を続け、お母さんの病気が悪化してしまったり、薬を飲むために授乳を中止した場合でも、赤ちゃんがミルクを飲むのを拒否するというケースも。安全性が確保されている薬を飲むことでつらい症状が緩和され、お母さんが元気になることは、赤ちゃんの健康にとっても良い選択と言えるでしょう。
 ただし、どんな薬にも副作用はあります。薬を服用する際は自己判断ではなく、必ず医療機関に相談の上、医師が処方した薬を飲むようにしましょう。市販薬は赤ちゃんに危険というわけではありませんが、異なる成分が多数含まれていることも多く、副作用があった場合に原因を見極めるのが困難となります。医師が処方する薬は1剤1成分が基本。薬についての情報が明確であるため、万が一副作用が生じた場合でもより適切に対処することができます。
 また、相談する医療機関ですが、お母さんの治癒を重視する内科医と、赤ちゃんに少しでも害が及ばないよう考慮する産婦人科医とでは、同じ医師でも異なるアドバイスをすることもあります。悩んだときは、胎児、小児に対する薬の影響について、科学的な裏付けのある医薬情報を提供している「妊婦と薬情報センター」(国立成育医療研究センター)を利用することをオススメします。「妊婦と薬情報センター」からの回答書を元に主治医と薬について相談することも可能です。
 授乳中の服薬については、薬の安全性、お母さんと赤ちゃんの健康など個々のメリット、デメリットを踏まえ、医師と十分に相談しながら、総合的に判断するようにしましょう。
相談方法は以下の3通り(先に問診票一式を送ります。)
・電話での相談(風邪薬・胃腸薬・痛み止めなどの薬について)
・「妊娠と薬外来」での相談(全国46カ所の「妊娠と薬外来」にて専門医による相談が可能)
・主治医のもとでの相談(妊娠と薬情報センターから主治医へ回答書を送り、主治医から相談者に説明)
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この記事の著者

板倉敦夫先生 順天堂大学 産婦人科 産科教授 板倉敦夫先生 順天堂大学 産婦人科 産科教授