2016年4月12日 更新

赤ちゃんの発達と授乳・離乳食

赤ちゃんの発達にともなって、離乳食を進めていきます。月齢の低い時期から「食べることの楽しさ」を伝えていきましょう。

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月齢ごとの発達と授乳・離乳食の進め方

【生後4カ月】

家庭環境に注意しましょう。テレビなどをつけていたり、兄姉が授乳の際に近づいてくるような場合には集中して飲めなくなることも増えてきます。眠いとき、寝起きなどは集中しておっぱいを飲んでくれますのでこのようなタイミングで授乳するとよいでしょう。薄暗い部屋で授乳するのもいいかもしれません。なお、湯冷まし、果汁、麦茶などは不要です。これらカロリーのないもので空腹が満たされてしまうと授乳回数や摂取量が減ってしまいます。家族の食事の時間には赤ちゃんも輪に入れるようにしましょう。もちろんまだ食べはしないのですが、この頃から「食べること=楽しいこと」と、頭の中に刻み込んでおくと離乳食がスムーズに始められます。

【生後6〜7カ月】

おすわりができるようになり、離乳食が始まってきます。1日の授乳回数は減ってくるお子さんも少なくありません。変わらず1日10回くらいおっぱいをほしがるお子さんもいます。母乳だけでは鉄分、タンパク質などの栄養素が不足してきますので、6カ月に入ったら離乳食を進めていきましょう。中でも鉄分やタンパク質を意識すると、豆腐、赤身の肉、玉子といったアレルギーが気になる食材を与える必要が出てきます。何かあったら病院に行けるように、平日午前中に少量から始めてみてください。全身が赤くなる、嘔吐(おうと)する、咳(せ)き込む、などが食べてから2時間以内に起こる場合は、かかりつけの先生に診てもらいましょう。手にするものを口に入れますので、ボタン電池など危険なものはしっかりとしまっておきましょう。

【生後9〜10カ月】

つかまり立ち、つたい歩きをするようになります。人見知りをして新しい環境を嫌がることもあります。また、周囲の様子に気をとられやすくなってくる時期です。このため頻繁(ひんぱん)に授乳を中断することも多いです。また、夜まとめて寝てくれるようになったと思っていたお子さんが、夜間2〜3回起きておっぱいを飲むようになることもあります。手でつかんで食べられるものを用意して、大人も手を使っておいしく食べているところを見せましょう。自分で食べる楽しさを覚えていくと、後々食事のことで困ることも減ってきます。フォローアップミルクは離乳食が順調に進んでいれば必要ありません。

【1歳】

手を使って遊ぶ、お母さんの髪の毛を引っぱるなど、他の動作をしながら授乳することもしばしばみられるようになります。「1歳になったら断乳を」と、まわりからプレッシャーを感じることもあるかもしれません。世界保健機関(WHO)、アメリカ小児科学会、日本小児科学会なども1歳以降も母乳育児を続けるように推奨(すいしょう)してます。夜寝る前に歯みがきを適切に行えば、夜間の授乳が虫歯の原因とはなりません。

ナーシング・ストライキと噛(か)みつき(1歳前)

ナーシング・ストライキとは、今まで頻繁(ひんぱん)に飲んでいたのに、急におっぱいを吸うのを拒否することをいいます。概(がい)して児の機嫌は悪く、離乳食もあまり食べないことが多いのでお母さんも心配になりがちです。このような場合、無理に飲ませようとするよりも、眠いときや少し眠りかかっているときに授乳するほうが効果的です。肌と肌の触れ合いを増やしたり、立ったり、歩きながら飲ませると飲むようになるお子さんもいます。通常、2〜4日でおさまってきます。お子さんによっては1週間くらい続くこともあります。対策として、搾乳(さくにゅう)した母乳をコップやスプーンで与えるのもいいでしょう。原則的にはこの時期に卒乳(そつにゅう)することはありません。再び母乳を飲んでくれるようになります。
歯が生えてくると、おっぱいに噛(か)みつかれることがあります。お子さんがおっぱいを吸っているとき、お母さんの乳首の先はお子さんの口の入口よりも奥深くにあり、お子さんの唇と歯茎(はぐき)は、一般的には、乳輪と皮膚の境目くらいのところにあります。お子さんの舌は歯茎(はぐき)を越えて前に出るので、下の歯と乳房の間にあり、歯が生えても哺乳(ほにゅう)中は噛(か)むことができないことになります。つまり、お子さんがしっかりおっぱいを吸っているときは、噛(か)まれる心配はないのです。逆にいえば、おっぱいを吸うのをやめたら、噛(か)まれるかもしれません。
噛(か)まれると、多くのお母さんはびっくりして赤ちゃんを引き離そうとしますが、できるだけ冷静に対処するようにしましょう。赤ちゃんをおっぱいから急に引き離すと、乳首が引っ張られて、もっと強く噛(か)まれることがあります。赤ちゃんは噛(か)む前にいったん舌を引っ込めるので、そのタイミングがわかってくると、噛(か)まれる前にさっと乳房から離すことができるようになります。その余裕がないときは、噛(か)まれそうになったらお子さんをおっぱいに向けてしっかり引き寄せるといいでしょう。赤ちゃんが驚いて噛(か)まないのです。
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水野克己先生 昭和大学江東豊洲病院 小児内科 教授 水野克己先生 昭和大学江東豊洲病院 小児内科 教授