2018年2月1日 更新

百日咳、妊娠中にかかったらどうなる?妊娠中のワクチン接種は?

コン、コンという咳が長期にわたって続く百日咳。子どもの頃に予防接種を受けていても、ときどき集団発生のニュースを耳にすることがあります。妊娠中に感染してしまうとどうなるのか、妊娠中の百日咳ワクチンの接種について、詳しく解説します。

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子どもの頃に予防接種を受けていてもかかる可能性が!

百日咳は、「百日咳菌」と呼ばれる細菌によって起こる感染症 です。短い間隔で連続的に咳がコン、コン、コンと出て、息を吸い込むときにヒューという笛のような音がなるのが特徴 です。けいれん性の咳発作、と呼ばれ、このような状態が数分~30分も続くことがあり ます。激しい咳こみで嘔吐してしまうこともあります 。
実はこのような咳の症状が出るのは、百日咳菌に感染してから2~3週間たった後からです。7~10日の潜伏期間のあと、ふつうの風邪のような症状から始まり、徐々に咳が強くなるので、百日咳と診断されるのはしばしば遅くなります。また大人では典型的な症状が出ないことも多く、とくに妊娠中はふつうの風邪でも咳が長く続くことがあるので、妊婦さんの百日咳は発見がさらに遅れることもあります。感染してから時間がたつと、正確な診断が難しいことも多いので、咳が2週間も続いたら、内科専門医を受診することをお勧めします。診断や治療が遅れると、家族など周囲の人へも、感染を広げてしまうことがあります。
百日咳は、多くの方が乳幼児の頃に予防接種を受けていますが、ワクチンの効果が持続するのは4~12年と考えられており、妊婦さんでもかかる可能性は十分にあります。実際2007年以降、青年や成人の患者が増えている ので、子どもの病気と決めつけてはいけません。

胎児には感染しないけれど、きちんと治療を受けることが大切

妊娠中に百日咳にかかっても、おなかの赤ちゃんには感染しません。しかし咳とともにおなかが張ることもありますので、きちんと治療を受けることが大切です。特に上の子どもさんがいる家庭では、うつしてしまったら大変です。乳幼児の百日咳は、 肺炎や脳症を合併することもありますし、子どもさんの看病まで行うのは、妊婦さんにとって相当な負担になってしまいます。
百日咳は、抗菌薬(抗生物質)の服用によって治療します。妊娠中に避けたほうが良い抗菌薬もありますので、産科以外で処方してもらう際には、きちんと妊娠していること、現在何週であることなどを伝えましょう。

妊娠中に百日咳のワクチン接種を受けたほうがいいの?

百日咳のワクチンは毒性がなく、接種しても体内で菌は増殖しないので、妊娠中でも接種可能です。その一方で、胎児に対する安全性は未確認とされていて、医師が「接種したほうが有益だ」と判断した場合のみ接種することになっています。
この場合の「有益」とは、感染するリスクが高いことを指します。すなわち、流行している地域へ行く予定がある人や、周囲で病気が流行している場合などが該当します。しかし、ワクチン接種によって免疫が獲得されるまでには相当の日数が必要であることを知っておきましょう。
米国の研究では、妊娠中の適切な時期に接種すると、できた抗体がおなかの赤ちゃんにも移行し、生まれたばかりの赤ちゃんでも百日咳の免疫を持つことが分かっています。 また、オーストラリアのように、妊娠28週に百日咳ワクチンの接種を推奨している国もあります。
百日咳のワクチンは、日本ではDPT-IPV四種混合ワクチンに含まれています。 しかし小児用であり、成人に接種した場合の効果については、はっきりしたデータがありません。一部の医療機関では成人を対象とした輸入ワクチンも取り扱っていますが、我が国では未承認のワクチンであり、副反応が起きた場合の救済制度の対象とならない可能性があります。
妊娠中の百日咳ワクチンは、これらの情報をよく確認したうえで、主治医に自分の妊娠のこれまでの経過、周囲の流行状況、上の子の有無などの情報を伝えて、接種するか判断しましょう。
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この記事の著者

Babyplus編集部 Babyplus編集部